令和6年度中小企業等知的財産活動支援事業費補助金(中小企業知的財産支援事業)
地域課題特化型デザイン経営の実践&知財活用促進のための支援プロジェクト
2023年度の実践型プロジェクト【伴走型支援者×フロントランナー企業育成プログラム】の成果報告会を、2024年2月29日(木)15−17時、Okinawa Innovation Lab(株式会社みらいおきなわ)にて開催しました。
今年度のデザイン経営は大きく3つのフェーズ(PHASE)に取り組みました。
PHASE 1では、企業のアイデンティティと価値観、強みをヒアリングにより抽出。
PHASE 2では、本質的な課題は何か、そして、その課題を解決するアイデアを検討。
PHASE 3では、その課題解決のアイデアを発表するためのアウトプットを作成。
今年度の特徴は、3社それぞれに、支援機関(県内の銀行、保証協会)とクリエイターがチームを組み、中小企業に向けたデザイン経営で日本一の実績を誇る株式会社SASIの近藤清人さん、知的財産や特許の業務に携わる西平守秀弁理士、一般社団法人デザインイノベーションおきなわ(DIO)がサポートに入り、支援を実施。
3社が取り組んだテーマは、2社が事業承継、1社が人材育成の課題解決。6カ月間、各チームは5回以上のセッションを行い、近藤さん、西平弁理士のアドバイスを受けて、DIOのサポートのもと、成果報告会のギリギリまでアウトプットの試行錯誤を重ね、本番に臨みました。
1社目と2社目の発表は「事業承継」について、3社目は「人材育成」について、チームから事業者に対して示唆に富む提案がなされ、最後にはそれぞれの社長にサプライズ的な演出がされるなど、各チームの結束力が感じられる報告となりました。
特に近藤さんが評価したところは、各チームとも、ヒアリングの結果として課題らしきものが見つかった際に、支援チームが「これは課題の本質ではないのでは!?」という違和感を覚えて、さらに追求を重ねていったという点。まさに、ここがデザイン経営の支援チームの力量が問われるポイントです。
最後に、3社の発表を聞いた近藤さんから、下記の総評をいただきました。
「各チームとも年明けの1月くらいから一気に動いてきた実感があります。どのチームもお世辞抜きに素晴らしい発表で、さらに支援機関による融資の目も入り、ものすごくいい報告会でした。2023年7月に特許庁が発表した『未来をひらく デザイン経営✕知財』のハンドブックの中で、“デザイン経営の好循環モデル”として『文化醸成』『人格形成』『価値創造』の3つのキーワードが定義されているのですが、今回の3社のテーマがそれぞれの領域に分かれていたので、すごく良い事例が共有できたと思います。この好循環モデルで大事なのは“ターン”すること。ターンした後の“戻るチカラ”でいかに新規事業をつくれるか。各社の今後に期待しています」
3社のチームメンバーをはじめ、かかわった皆さま、半年間、本当におつかれさまでした。引き続きデザイン経営のチカラで、沖縄県内の企業の飛躍・発展をサポートしていきます。